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2025.07.29 |

溜息の色

僕には名前が無くて




まわりは銀色の世界


うずくまった子供に誰も振り返らない



過ぎ行く人












別にいいんだ


たとえば僕が冷たくなっても


誰も何も振り向いたりしない





僕の名前を





呼んだりしない






別にいいんだけど



ただ





ここを動いたら












迎えにくるような気がして







ドサ。





「っぃた…」




雪にうもれても


落ちてゆく世界が




憎らしくて




大嫌いで









愛していた





















誰か




呼んで



僕の なまえを










呟いた 息は




まだ白かった




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2006.02.12 | Comments(0) | Trackback() | オリジナル

ハーケン←エリウッド

幼い頃から見知っていたものの一つだった
当たり前のように日常に存在していた
でもだんだんと自分の体と共に幼くとも成長してゆく思考の中で、
それがいつ無くなっても不思議ではない場所にいるのだと
認めたくは無かったけれど、理解しなくてはならなかった。




好きだった
自覚は無くても今思えば

すき だった




いないと もういないと知らされたときでも
漠然としていてただ目をまるくするしか出来なかった
そんな何もかも無にする言葉があるだろうか

全滅
それだけ

ただ、希望がいっこ。残っているだけ。


もういなくなったという喪失感と
どこにいるか分からないけれど生きている
そんな希望





ねぇ















僕はどちらに心傾けたらよかったのか





+++++




「ハ ───」







あるはずのない名前を呟きそうになる



ここに、いまここにいる恐怖と
未知なる明日への恐怖と
なつかしさと愛しさをこめて

つめたくなった
父の腕を握り締める

そういえば自分はこの手が好きだった
頭を撫でられる度自分の存在を確認出来るようで
撫でられる事が無くなっても、
それは憧れと尊敬の対象に変わるだけで



そうして
思い出しそうになるんだ。












いま



おもってはいけない






僕は父への哀しみを捨ててしまうから


すべてを捨ててしまいたくなるから











だから

















「 ぁ───」












呟きそうになる
あるはずのない名前を



++++++


辺り一帯には鉄の匂いと真っ紅な色。

それを隠すように
降り積もるのは真っ白な雪だけ。

そこには敗者と勝者の境界線のように紅く
まるで雨上がりの水溜まりのような
その中心に、勝者は立っていた。


変貌したその敗者は自分もよく知っている
知っている

僕の



「ェリウッド様…‥」




僕の大切な 人






僕の方をみて逃げろと訴えていた君は

動かない体への苛立ちと恐怖を抱えたまま

うごかなくなった




のどが ヒュゥと鳴った






「ぁ──あ───」




膝がガクリと落ち、跪いた瞬間

全身真紅に染まった目の前の勝者は振り向いた





剣が ガシャリと 音をたてる











「────」








呟きそうになる
あるはずのない名前を


そして呟いた





あるはずが無かった

名前を















「──ハーケン」









僕は

剣を握り締めていた


2006.02.12 | Comments(0) | Trackback() | FE

口移しの子守歌

子守歌がきこえた

遠き日に響くあの


自分の絶っているあの場所に

自分の全てを知った懐かしい場所に







貴方がいたような気がしたんだ













貴方がいたあの日に


墜ちないために

口移しで子守歌をあげる




とても とても

懐かしいけれど





もう


おやすみなさい

















貴方がすき


貴方が好きだった



どんなに声にならない声で叫んでも



言っても



言い続けても




2006.02.12 | Comments(0) | Trackback() | オリジナル

go together

もし




君と僕のどちらかしか



助からない と言うのなら



僕は君を舟に乗せるよ






そんな事言ってみたら。





「いやだ」





って君は言った。









「僕に君の影背負って生きていけって言うの?」



「い・や・だ」







何だかちょっと腹が立った。



「じゃぁ どうするんだ」


言ったら








「君と残って賭をする」








君はふりむいて









「例えみんな生き残っても、
 
 2人とも死んだとしても」






ちょっと笑って







「一緒なら後悔しない。 きっと」







僕は驚いて







ちょっと、  泣いて

















君に


心から誓ったんです。



2006.02.12 | Comments(0) | Trackback() | オリジナル

取り敢えず難しそうな言葉を並べてみても

記憶は幸せの残像。


幸せは夢のカケラ。




残酷はやさしさ。


優しさは偽善。




明日は欲望。


欲望は人の証。




奇跡は祈り。


祈りは無慈悲さ。




哀しみは静寂。


静寂は詩【死】。











喜びも


美しさも


儚さも


醜さも


全部








どんなに心を閉ざしたくなっても







忘れたくないんだよ




俺は


2006.02.12 | Comments(0) | Trackback() | なんとなく小文。

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