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ネタ帳
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幼い頃から見知っていたものの一つだった
当たり前のように日常に存在していた
でもだんだんと自分の体と共に幼くとも成長してゆく思考の中で、
それがいつ無くなっても不思議ではない場所にいるのだと
認めたくは無かったけれど、理解しなくてはならなかった。
好きだった
自覚は無くても今思えば
すき だった
いないと もういないと知らされたときでも
漠然としていてただ目をまるくするしか出来なかった
そんな何もかも無にする言葉があるだろうか
全滅
それだけ
ただ、希望がいっこ。残っているだけ。
もういなくなったという喪失感と
どこにいるか分からないけれど生きている
そんな希望
ねぇ
僕はどちらに心傾けたらよかったのか
+++++
「ハ ───」
あるはずのない名前を呟きそうになる
ここに、いまここにいる恐怖と
未知なる明日への恐怖と
なつかしさと愛しさをこめて
つめたくなった
父の腕を握り締める
そういえば自分はこの手が好きだった
頭を撫でられる度自分の存在を確認出来るようで
撫でられる事が無くなっても、
それは憧れと尊敬の対象に変わるだけで
そうして
思い出しそうになるんだ。
いま
おもってはいけない
僕は父への哀しみを捨ててしまうから
すべてを捨ててしまいたくなるから
だから
「 ぁ───」
呟きそうになる
あるはずのない名前を
++++++
辺り一帯には鉄の匂いと真っ紅な色。
それを隠すように
降り積もるのは真っ白な雪だけ。
そこには敗者と勝者の境界線のように紅く
まるで雨上がりの水溜まりのような
その中心に、勝者は立っていた。
変貌したその敗者は自分もよく知っている
知っている
僕の
「ェリウッド様…‥」
僕の大切な 人
僕の方をみて逃げろと訴えていた君は
動かない体への苛立ちと恐怖を抱えたまま
うごかなくなった
のどが ヒュゥと鳴った
「ぁ──あ───」
膝がガクリと落ち、跪いた瞬間
全身真紅に染まった目の前の勝者は振り向いた
剣が ガシャリと 音をたてる
「────」
呟きそうになる
あるはずのない名前を
そして呟いた
あるはずが無かった
名前を
「──ハーケン」
僕は
剣を握り締めていた
2006.02.12 | Comments(0) | Trackback() | FE
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