忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2025.07.19 | Comments() | Trackback() |





「お早うございます!」



「・・・・・・あぁ・・・おはよう・・・」





さすが先輩。
俺、結構はやく来たつもりだったんだけど。


部室には俺と先輩だけ。


ホントは今日。

自分の意志でさぼろうと思った。


でも、そうやって休んで
「で、次は?」と考えたんだ。

明日も明後日も明々後日も
休む事はできる。





ほうりなげる 事だって できる。





なんならサッカー部やめる?



そんなの考えられない。
できる 訳無いじゃん。



だから   さ。





「早いですね~。俺絶対一番だと思ったのにな~」





どんだけ 複雑な顔されても。


考えた返答しか返ってこなくても。





「・・・・・・藤代・・・あのな」





いいんだ。




「先輩。この前言ったこと、訂正します」





決めたから。





「やっぱり、俺先輩に想われたいです」





我が儘。

欲望。




いいじゃないか




俺が 生きてる って事でしょ?



















「先輩。俺を好きになってくれませんか?」












++***++




救いを求めて



旅立つことを


逃げることだと 罵るの なら





君を 撃ち落として





引き裂いて








もっと もっと







愛したのに ・ ・ ・




++***++





ガチャ。





ドアを開けたら、竹巳はもう着替えて本を読んでいた。

けど

俺の帰った音を聴いて、
本に目を向けたまま「お帰り」と言った。



俺は鞄を落とすように置いて

しかめっ面で抱きついた。




「・・・・・あのぉ・・・・・・」



「・・・・・・・・・」




「・・・・・・読めないんだけどー・・・」



俺は余計腕に力を込める。


呆れたように竹巳は溜め息をついた。
顔は見えない。

でもきっと呆れてる。


「・・・・・・・俺普通だったよな」



「・・・・何が?」





「・・・俺 今日 普通だったよな?」




二度目の言葉はどこか悲鳴のようだった。



泣いてない。

泣いてなんかいない。


掠れた 声で問う。









「・・・・・・・うん」





かけられた弱い言葉と共に


やさしい手。



ぽんぽん。 と 二回。



頭をなでられた。









それが  痛くて





どうしようもなく       


















いたくて。








PR

2006.02.12 | Comments(0) | Trackback() | モラトリアム

コメント

コメントの投稿


« | HOME | »

忍者ブログ [PR]