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ネタ帳
あぁ なんてみにくい かんじょう
なんて きたない かんじょう
きみに おしつけようとしているのか
おれは
++***++
藤代から渋沢と付き合っているのを知っていると告げられたあの日から
何となく俺は藤代をまじまじと見れないでいた。
藤代はかわらない。
態度も声色も
まるであの出来事自体なかったみたいに
相変わらず三上先輩三上先輩ってうるさい。
藤代が
あいつに憧れてたのは知ってる。
つーか
あいつの態度とか目線とか表情とか見てて
多分もしかしたら
そーゆー意味で好きなんじゃないかとか
ちょっと思った時もあって
あいつが初めて部活休んだ日
もしかしたら あいつ ホントに
俺達のことにも気付いてそれで
って 少し不安になって
(いや不安になるとか筋違いなのかもしれないけど)
わざわざアイツを人気の無い所までひっぱってった
そしたらあいつ、すごく無理して笑うから
あいつ 渋沢みたいな顔して
すごく困ったように笑うから
イライラして 無理して笑うな って 少し 怒った
俺は渋沢と付き合ってること 恥ずかしいとは思ってない
でも 男は社会的な生き物だ
世間一般に埋もれていたい気持ちもある
失ってしまうかも知れない色々なモノをすべて無くす勇気が俺にはなくて
そんな俺の中途半端な気持ちが伝わっていたのかな
俺はいままで一度も
渋沢に抱かれたことも
抱いたこともない
(いや。うん。むしろ抱きたいとか 思わないけど)
俺がときどき 二人きりの部屋の中
誘うような目で見ると
渋沢は困ったように 笑うんだ
失いたくない ぜんぶ
情けないったらないな ほんと
++***++
「いたたたたたたたた!!」
「じっとしてろ!」
窓の外を見れば
同級生達がまだ騒ぎながらサッカーをしている。
俺はというと、鬼竹巳に足に湿布を貼られ、包帯を巻かれていた。
清純な雰囲気と
微かな薬品の匂い
ちょうど先生がいなくて勝手に棚から色々とりだしている。
場所とかも おぼえちゃったなぁ
とか思いながら
「お前はなんでこう・・・ちょこちょこ怪我するかなぁ・・・」
包帯を手慣れた手つきでまきながら竹巳は深い溜息をついた。
そうだなぁ俺はよく怪我するなぁ
そのたんびに竹巳はこうして湿布とか絆創膏とかはってくれるけど
「いやぁーほら!サッカー部のエースの意地をだな!」
「あーそーですねー凄いですねー。オラ おわった ぞ ! 」
ぞ の所で竹巳は包帯止めの上を勢いよくはたいた。
「ぃいっっ----っ---!!」
涙目になりながら俺は 包帯や湿布などを棚に戻す竹巳の後ろ姿を見ていた。
竹巳の背中をとおりぬけて はるかとおく
別の風景がみえるようだ。
俺がかわっても
かわりはてても
お前だけは どうか
「竹巳 今日鈴木とかと遊び行くんだよなー。どれくらいに帰る?」
「あーーーうん。 多分7時くらいかな?」
片づけ終わった竹巳が振り返る
俺は
笑っていただろうか
「 気を付けてな。 」
2006.02.12 | Comments(0) | Trackback() | モラトリアム
「 は? 」
何か・・・もっとこう・・・
言えたんじゃないだろうか。
思わず落とした缶を勿体ないと
思う余裕さえ無かった。
ただ、呆然と見つめた。
あいつは笑顔のままだった。
「別に隠さなくていいですよ!俺知ってますから」
心なしか、最後の言葉を発する時
藤代の声が低くなったような気がした。
「----・・・・・・」
別に・・・隠すような事じゃないけど・・・。
何故かこいつの笑顔に圧迫感を憶え
喉からうまく声が出ない。
って、いうか。
缶を落とした時点で「ハイそうですよ」って
言ってるようなもんだろ・・・。
「-------ぁ」
何か言おうとした瞬間、俺を呼ぶ声が聞こえた。
「三上。藤代も一緒じゃないか」
「渋沢・・・」
不意をつかれて一瞬焦る。
が、何とか悟られないように明るく応えた。
・・・つもりなんだが・・・
軽く手を上げながらゆっくりと
こちらに歩み寄る。
ふと藤代を見ると、
・・・寒気が した。
嫌悪、とも、無気力、とも言い難い。
とても とても 冷静で
とても とても つめたい 目
ただ、間違いなく、藤代は渋沢を見ていた。
「もうそろそろ昼休み終わるぞ。教室戻らなくていいのか?」
「お前は?」
聞き返すと渋沢は、
ちらっと藤代を見て続けた。
「俺はちょっと藤代に用あるから。後から行くよ」
だから、さき行ってろって笑顔で
渋沢は俺の背中を押した。
俺は藤代を見やる。
あいつは俺の視線に気がつくと
いつもの顔で笑った。
俺はそれを勝手に「また今度」って言ってると解釈して、
少し重たい空気を感じながら教室に戻った。
++***++
「授業・・・始まってますよ」
驚くほど冷めた声で
からかう様に言う。
それがこの人の逆輪にふれる事など判っていた。
先輩は周りに人気がなくなったのを空気で確認して
一瞬、俺をすごい形相で睨んだ。
「どういうつもりだ」
「何がですか?」
にっこり笑って言うと
思いっきり壁に叩き付けられる。
少々の痛みを感じていると
頭の両側に腕が見えた。
正面には顔。
「三上には関係ない」
あまりにもおかしくって吹き出してしまう。
「・・・関係ない?さっきの言葉、そっくりそのまま返しますよ先輩」
真っ直ぐ彼を見ると
腕を強引に振り払った。
「どういうつもりで、俺を抱いたんですか」
「-----------」
先輩の 表情が引きつる。
おかしくって 失笑する
「暇つぶし?」
皮肉のように片頬を歪ませて
息があたるぐらいまで顔を近づけた。
嫌な奴だとは思ってたけど
俺ってこんなに嫌な奴だったんだ・・・
怒りと皮肉と後悔と
いろんなモノが交差する。
次の瞬間、喉元に圧迫を感じた。
爪が食い込む。
でも、息はできる。
「理由。言って欲しいのか?」
冷たくて
凍り付くような
でも、その奥に秘めた怒りがある
目が笑っていない。
首の痛みが引いてゆく。
ゆっくりと手を離すと
先輩は振り返らずに校舎へ消えた。
『 生かさず殺さず 』
何故か俺は
そんな言葉を思い出していた。
2006.02.12 | Comments(0) | Trackback() | モラトリアム
「先輩は・・・何も言わないってどう思います?」
いきなり何を言い出したんだこの犬は
と思った。
鼻で笑い飛ばす勢いで流そうかとあいつの顔を見た時。
こいつは・・・
今自分がどういう顔をしているか
分かっているんだろうか。
どうにも言葉が出なくて
戸惑った素振りをしないように目線を流した。
口は 「は?」 の名残で
半開きになったままだ。
今考えたら相当間抜けな顔。
考えるとむかつくんで考えない。
声を紡ぐように空気を裂いて
俺は一言、 「知らない」 と言った。
言った後に、今の言い草はちょっと
アレだったかも知れない、と。
一息ついて 「俺は」 と付けた。
何があったかなんて、
俺は知らない。
その言葉の重さも、
その言葉の本当の意味も、
俺は知らない。
そんな俺が、今バカバカしく
泡みたいな言葉かけたって。
こいつは 多分 心を閉ざす。
そう考えると、
俺の頭はなんだか 後ろのあたりが
ガンガン鳴った。
++***++
朝の静かな空気がざわついて仕方がない。
それ程、藤代が倒れたというのは
部員にとって大事だった。
分かる・・・。
あいつは誰よりも馬鹿で。
誰よりもうるさかった。
逆にそういうあいつだから って事だ。
「大袈裟だな・・・。救急車なんて」
背後から聞こえた声に、
俺は言い難い違和感が走った。
それは、聞き慣れた声のはずだった。
「『藤代が』倒れたからだろ。そりゃ・・・驚く」
振り返って、確認した。
当たり前なんだが。
渋沢だった。
「お前も相当驚いてたな」
少し苦い笑みを浮かべて、
快活に言う。
俺はそんなこいつの態度が気に入らない。
むしろ、爪で引っ掻くような
怒りを憶えた。
「そういうお前は全く驚いてないな」
諫めるつもりは無かったけど。
真っ直ぐに見やる。
目線だけ上を射抜いた。
最初に憶えた違和感 は これか。
おかしい。
こいつはー・・・。
「驚いて無い訳じゃない。ただ・・・、最近藤代の様子がおかしかったからな。
前から少し気になっていたんだ。」
「・・・いつから?お前よく見てたな」
言っている事はおかしくはない。
なのに
俺にはあの苦い笑みが、
どうにも焼き付いて 離れなかった。
++***++
「ご迷惑をおかけしました!」
昼休みにいきなり頭を下げられて
大声で謝罪。
何ともこいつらしいと言えばらしい。
「・・・別に。迷惑かけられた憶えはねぇけど」
「じゃぁ心配?」
調子にのるな、と頭を軽く叩いた。
笑いながら藤代は頭を上げた。
病院行っても馬鹿は直ってないな・・・。
失礼な話かもしれないが
俺は顔をゆるませた。
「・・・あぁ!!そうだ先輩!!」
「あ?」
にっこり。笑って。
「先輩、渋沢先輩と付き合ってるんですか?」
持っていた缶が、
鈍く寂しげな音を立てた。
2006.02.12 | Comments(0) | Trackback() | モラトリアム
ろくな事じゃない。
出来れば目を背けたくなる。
目を閉ざせば
何も見えないのに。
目を閉ざさずに
耳を塞がずに
あなたを見るのは
つらい事なのだと知りました。
「何か言って下さいよ」
光の果て
「な・・・で何も言ってくれないんですか?」
あおい鳥がみえたなら
「なっ・・・ん・・・・・・ー」
それは もう
おわり の しるし
あれから。
這う指を気持ち悪いと思った事はない。
俺はいつも何もしない。
あの人は何も言わない。喋らない。
ただ黙々と義務を果たすように。
ただ
俺が目を背けようとすると舌を噛んだ。
++***++
「なー・・・何で俺お前のグチきいてんだ・・・?」
もの凄く嫌そうな顔をして
三上先輩は呟いた。
呆れたように頬に手をついて、俺がおごった
缶のお茶を、これまた不味そうに飲む。
「別に・・・グチってる訳じゃないっすよ」
そう言って俺も缶ジュースに口をつけた。
・・・・・・・・。
グチじゃない。
俺が言ってんのは弱音!!
・・・・・同じようなもんか・・・
「じゃぁ何でこのクソ忙しい昼休みに、毎日俺お前といんの・・・?」
「お茶おごってるじゃないすか!!」
三上先輩は優しい。(気がする)
嫌そうな顔してても
結局つきあってくれる。
知らなかったなぁ・・・
他人はよく観察するもんだ。
実際俺も、前三上先輩に呼び出されてって
あの一連の事がなかったら。
きっとこの人嫌いだった。
「先輩は・・・何も言わないってどう思います?」
「は?」
先輩はすぐに「何が?」って言いたかったと思う。
俺の方を少し凝視して。
考えるように横目で遠くを見つめた。
「知らねぇよ」
一言だけ。
ぽつりと 重く。
「俺は 知らない」
一呼吸おいて、続けて 言った。
++***++
俺は三上先輩がすきだ。
一緒にいてドキドキするとかさ、
そういうのじゃないんだけど。
先輩は全てにおいて俺が嫌いっぽい。
だから 何も聴かない。
だから 俺は先輩が好き。
先輩の隣はすごく居心地がよかった。
幸せに なって欲しいよ。
だって好きだしさ。
気に入ってる人間にはそりゃぁ
笑っていて欲しいよ。
そうなんだけど。
おかしいなぁ・・・
俺の見たこと無い顔。
きっと きっと
お互いしか見たこと無い顔。
直感としか言いようがない。
頭の後ろからサーって血の気がひいて
世界が
かたむいてた
2006.02.12 | Comments(0) | Trackback() | モラトリアム
どこで 俺は気づいたんだろう。
見落としたとは思いたくない。
だって 俺は
毎日あいつに逢って
毎日あいつに「お早う」って言って
毎日あいつと学校でて
毎日あいつと笑ってた のに
どうして?
どこで 狂ってしまったんだろう
今日、藤代は病院に運ばれた。
++***++
それはなんら変わりなかった。
寝坊が日課のあいつを起こすために、
俺はいつも少し早く起きる。
まずは オーソドックスに耳元目覚まし。
・・・・・・これで俺的ベスト目覚ましが犠牲になるのは何個目か・・・
目覚まし 買おう・・・・・・またかよ!!
次は ちょっと強引布団はぎ。
・・・・・・・・・何でこいつ・・・眠ってるのに馬鹿力・・・?
その次は もう我慢出来ない水掛。
ぱしゃ。
「・・・っうわ!!冷た!!・・・あぁ~竹巳~お早~・・・」
「・・・・・お早う ねぼすけ・・・」
俺部屋変えたいなぁ・・・と本気で悩む朝。
でもだめだね。
俺って 実は史上最高のお人好しかもしれない。
「毎朝ありがとな!竹巳がいなかったら俺生きてけないよ~」
こいつ・・・
確信犯だったら殴る。
悔しいなぁ・・・
朝練はいつも通りあって、
笑ってても
お前は・・・・・・・・
・・・いや、これは言う必要ないよな。
こういう時 ふと。
自分が嫌になる。
「三上先輩!!」
・・・・・・?
そうだ。
そういえば 少しおかしいとは思ってた。
別に、仲悪かった
って訳ではないんだけれど。
そんな仲よかったか・・・なぁ・・・?
どちらかと言うと藤代は・・・渋沢先輩になついてなかったっけ。
でも 最近あの二人が会話してるの
俺は見たことなかった。
藤代はなにかと三上先輩をたよる。
そういえば
・・・・・・そうだった。
++***++
目が覚めたら白い天井がある。
頭を動かす。
窓 と カーテン。
一見して清潔感あふれる空間。
憶えてない ってわけでもない。
だから、ここが何処だか
すぐに判った。
「・・・・・竹巳・・・」
ちょっと捜して、
思い当たる名前を呟いた。
途切れ途切れに憶えてる。
確か、俺がぶっ倒れた時一番に声がきこえて
すごい 安心した。
救急車呼ばれるかな・・・とか思って
何とかその声に答えようとして結構頑張ったんだけど
頭まわらなくて。
ただ意識朦朧として。
世界がかたむいてた。
そうだ。
救急車一緒にのってくれたんだよな・・・
俺が お前 はなさないカラ。
「・・・・・・っ」
凄く 歪んだ 表情。
俺の言葉でゆるんでく。
俺は安堵の息を吐いた。
「あれ・・・今何時・・・?竹巳学校は・・・?」
沈黙。
「俺どれぐらい寝てたかな・・・・・ずっとついててくれたのか?」
沈黙。
「迷惑かけてごめんな~・・・。もう大丈夫だから」
俺は。
「竹巳・・・・・?」
「・・・・・竹巳・・・」
俺は
「・・・・・・・・なんで泣いてるの・・・?」
2006.02.12 | Comments(0) | Trackback() | モラトリアム
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